朝靄の中、はるかインド洋からのうねりががブレイクしている
昨年に続いて、今年もインドネシアへやって来た。
目的はサーフィンだけど、もちろん一日中海に入っているわけでもない。波のコンディションによっては、海に入らない日もある。今年は例年よりもかなり大きな波に恵まれているらしいが、僕の技量からすると、それは少しばかり大きすぎることを意味していた。
ここの波を求めて、世界中からサーファーたちが集まってくる。しばらく暮らすように滞在していると、あちこちに顔馴染みができて、旅ならではの出会いが嬉しくなる。
二度目の滞在ということもあって、今回は地元の人たちとの距離がぐっと近くなった気がした。朝ごはん屋さんの夫婦、サーフポイントの近くにある食堂のお母さん、サテやミーゴレンの屋台のお兄さんやお姉さん。みんな僕をすっかり常連のように扱って、あの温かく大きな笑顔で迎えてくれる。
この国の人たちの、誰にでも惜しみなく向けられる人懐っこい笑顔は、一体どこから来るのだろう。
イスラムの教えがそうさせるのか、多民族国家としての多様性が育んだものか、あるいは南国に暮らす人たちの、生きることへの心のゆとりなのか。理由は何であれ、目が合うとこちらもつられて笑顔になってしまう。
そうか、お互いの笑顔がうつり合って、この国を笑顔で満たしているのかもしれない。そんなことを考えていると、僕の口元も自然と緩んでいた。
インドネシア語でお土産のことを「oleh-oleh(オレオレ)」という。
日本に帰ってからも、ときどきこの笑顔を思い出さねばと誓う。
テキスト・写真/豊嶋秀樹