立山から北アルプスを望む。画面左奥では槍ヶ岳の穂先が天を突いている。
久しぶりの立山だ。
数年に一度、歩きに来てはいたが、スキーを目的に訪れるのは10年ぶりだろうか。
北海道から新潟まではフェリーを利用した船旅で、これも数年ぶりとなる。以前は、雪に合わせて北海道と九州を移動していたので、行きと帰りの年に2回は必ずこのフェリーにのっていたが、北海道にいる時間が長くなってからはしばらく機会を得なかった。
ゴールデンウィーク明け、平日の立山。
さすがに、室堂周辺からミクリガ池辺りまでは、インバウンドの観光客で賑わっているものの、そこを過ぎると急に人気もまばらになった。
雷鳥沢キャンプ場につき、テントを張り終わってひと息つく。夕暮れまでは、まだ充分に時間はありそうだ。連れ立った友人と、散歩気分で雷鳥沢を登ってみることにした。
いくらか標高を上げて振り返ると、眼下にキャンプ場に点在するテントがポツポツと小さな点となって見えた。背後には、雄大な立山連峰が横たわっている。
大きく深呼吸すると、酸素濃度の少し薄い空気が肺を満たす。しばらく息を止めてから、ゆっくり、ふうっと吐き出す。何やら儀式めいた感じがして、ここにいることに嬉しくなった。
天気予報によると、しばらくは好天が続くという。楽しい滞在になりそうだ。
テキスト・写真/豊嶋秀樹